暗い玄関にならないための対策として、自然光をできるだけ取り入れることが重要です。
間取りや建具選びがポイントになるので、家づくりの参考にしてください。
〇吹き抜けを作る
玄関に吹き抜けを作って、太陽の光を取り込みましょう。
当然のことながら太陽光は上から降り注ぐので、横からの採光よりもできるだけ高い位置から光を取り入れるのが効果的です。
吹き抜けにすると高い位置に窓を設置することができるので、上方向からの採光が可能となります。
高い位置からの採光は、広い範囲を明るくし開放的な印象に仕上げてくれます。
吹き抜けを作るなら、広い敷地が必要なのではと思いがちです。
狭小住宅であれば尚のこと、居住スペースの確保を優先しがちなので、吹き抜けの間取りを諦める方も多いでしょう。
ですが狭小住宅だからこそ、明るさと開放感を得られる吹き抜けがおすすめです。
幅や奥行きがなくても十分な採光ができるので、吹き抜けのある玄関を検討してみてはいかがでしょうか。
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〇玄関の向きを考える
玄関の方角によって、太陽光の入り方に大きく違いが出ます。
ライフスタイルなどに合わせて、どの時間帯に明るい玄関でありたいかなど検討してみましょう。
道路や敷地の形、玄関以外の間取りなども合わせて検討する必要があります。
東・・・朝の陽ざしをたっぷり感じられる玄関になります。午後は出払っているので、朝出かける時に明るい玄関にしたい方に向いています。
西・・・暗くなりだす夕方時にも、光が差し込む玄関になります。玄関が角に配置される場合は東方向に窓を設けると一日を通して明るい玄関になります。
南・・・明るい玄関が長い時間続きます。洗濯物を干すスペースやリビングを南に配置すると、玄関から丸見えになるデメリットもあります。
北・・・日が直接当たりにくい方角ですが、完全に暗いわけではありません。南にリビングを配置しやすくなります。
太陽光を真正面から受けていなくても、外の明るさを玄関に取り入れることで「暗い玄関」は回避できます。
では、外の光を玄関に差し込む方法を見ていきましょう。
〇窓を付ける
光を取り入れるのに最適なのは、やはり窓です。
玄関の上や横に、フィックス(開け閉めの出来ない窓)を付けることで光だけを効率的に取り入れることができます。
もちろん玄関が角に面している場合は、横向きに窓を設置するのもおすすめです。
玄関の方角や、玄関収納の設置などと合わせて検討していきましょう。
玄関に窓を付けると、デリットとなることもあるので注意が必要です。
外から中の様子を伺うことができたり、窓ガラスを割って侵入するなど、防犯面に不安があります。
高い位置に窓ガラスを配置する(ランマ)
家の様子を分かりにくくするために、すりガラスを利用する
強度のある防犯ガラスを利用する
安全対策を取りながら、採光に適した窓の設置を検討してみましょう。
〇遮光付きの玄関ドアにする
玄関に窓を付けて、外の光を取り入れる方法を先述しました。
その窓が付いた玄関ドアもあるので、窓を付けるスペースの確保が難しい場合でも、ガラス窓を利用した採光が可能です。
ドアに付いた窓ガラス部分は、細くデザインされている物が多く、万一割られたとしても人の出入りはできません。
さらに窓ガラスを割って手を入れてきたとしても、鍵まで手が届かなかったり、内側から鍵をひねる部分を取り外できたりと防犯面でも優れています。
また玄関ドアにガラスが入った複雑なデザインは、華やかでおしゃれな印象です。
〇リビングからの光を通す
一番日当たりのいい方角にリビングを配置する間取りが多くみられます。
そのリビングを抜けて玄関に繋がる導線がある場合、リビングの光を玄関まで届けていきましょう。
リビングと玄関の間に扉を設けることが一般的ですが、その扉を「すりガラスにする」「ガラス部分が広いデザインの扉にする」だけでも玄関の明るさは大きく違います。
扉を開けたままにするのも有効ですが、冷暖房の効きが悪くなったり、キッチンのニオイが玄関まで広がったりとデメリットもあります。
玄関先で宅配便などを受ける時にも、リビングが見えやすくなるのは避けたいものです。
リビングと玄関の間にある扉を光の通すタイプにして、リビングの光を玄関まで繋げていきましょう。